フェンリル俯瞰図(仮)

 当面はRagnarokOnlineについて書いていきます。  もしかしたらそのうち他方面も扱うかも。

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黄昏れ時の彼らに祝福を 第一話 -闘いの火種-




 僕の姓は張、名は簾、字-あざな-は駆怜。とあるサーバーにいるしがないハンターだ。
 ある日何気なく見た情報サイト「BOTNEWS」から『ガンホーGM、BOT隔離ユーザーを強制送還、BOT救出』という記事を目にし、そのことから発生した決起集会に参加する決意をしたのだった。





黄昏れ時の彼らに祝福を 第一話 -闘いの火種-



 ―とは言ったものの、
「さて、どんな格好で行こうかなぁ(・ω・`)」
 これから参加しようとしているのは、抗議という名の過激な活動ということになるわけで。
 この世界では噂は瞬く間に伝わってしまうから、そのままの名前だと自分周辺にまで話が伝わってしまうんじゃないかーとか、こう僕が憂いたのも無理からぬことなんじゃないかなって思う。

そしてその後。

 僕・・・もとい”私”は赤い髪をした女性に扮して、たった今砂漠の街モロクの真ん中でつっ立っていたりする。
 何でネカマしちゃってるのかとかについては、まぁ悠長に考えている時間は無い。集合時間は23時半で、今の時間は既にそれを過ぎてしまっていた。急がなければ。
 ヤシの木の並木道を通り抜け門をくぐった向こうには、早速広大なソグラト砂漠がひろがっていた。ぶっちゃけ気分だけでも既に暑苦しくなってる時分に、よりによってこんなクソ暑いところを通らなきゃならないだなんて・・。
 「…そんなこと愚痴ってても仕方ないや。それより集会場所を探さないとっ」

 しかしモロクの北側であるとは分かっていたものの、具体的な位置が何処であるかは全く見当がついていなかった。
 ちゃんと細かい場所教えてよっ、と半分ヤケっぽく呟きながら歩きにくい砂でできた丘をいくつ越えた。小さなオアシスにも寄ってみたが、そこには誰もいなかった。
 結局1周近くして漸く、その先にやたらヤシが繁っているところが見えてきた。多分あそこだろうな。
 ”私”は勇み足をさらに速めた。







・゚・+(・∀・)・゚+・。







「ここかぁ」
 ヤシに囲まれた何かの廃墟に、10人足らずの人達が既に集まっており、挨拶で迎えてくれた。時刻は既に日付が変わる数分前、たった1時間半でこれだけの人が集まっていた事に驚かないことなどなかった。
 そして円の様な集団の中央に、ひとりの銀髪の女性のアルケミストがいた。どうやらこの人が決起の書き込みをした人のようで。
 名前は閏月飛鳥(うるうづき あすか)、2年前に一度引退したがホム実装を聞きつけて1ヶ月前に復帰したという、β1テスト時代からの古参の方のようだ。
 まぁこれは初めのうちの雑談で分かった事なんだけどね。

 0時を過ぎた頃、飛鳥さんは人数を数えているのか一度周囲を見回した後、
「さてとりあえず状況確認で、Thor以外の鯖からきてくれた方は鯖名をもう一度おねがいします。」と自己紹介を促した。
「saraからです^」
「私はFenrirからー」(※これが私の発言。)
「heimdal鯖です」
「Lydiaの人@複数アカ持ちです」
 結果として他鯖から来たのはこの4人だった。ちなみにThorの住人である5人だったみたい。
「さて、本題ですが―」
 飛鳥さんの一言に皆緊張が走った。それは私だって例外じゃない。
「現状どういう活動を行うにしても、おそらく頭数が足りません」
「ですね・・」
「ですな」
 いくら抗議するだなんて言ってもその人数が少なかったら意味がないことは当然で、みんなが同調したのは言うまでもないことだった。
「現時点で何をしてもシカトでしょう。そこでとくに他鯖から来てる方などには自分たちの鯖で呼びかけて活動の知名度を上げるのが第一かと思います。
もちろんトール内部でもさらなる告知が必要でしょうけど、ソレは自分もやりますが・・・そこで夕方ごろのレスでかきましたが、BOTNEWSの1割の賛同がえられれば月あたり1千万を越す勢力になります。計算上有効数7500とすると1割で1100万超です。
とりあえずはその1割。750名ほどの賛同が欲しいところですが、そのためにはまずあらゆる立場の人の協力を得なければならないでしょう」
 ふむふむ。
 まぁよくわかんないけど、抗議活動の賛同者は多く得ないと駄目ってことなのかな、と思ってみる。
「とにかく他鯖および他Webサイトでの呼びかけによる賛同者の増加がまず第一歩だと思いますので、皆さん率先して行っていただき―」
「あああっと一つ提案が」
 と、いきなりHeimdal住人のノビさん。
 何故慌てた風なのかはあまり突っ込まない事にしよう。というかツッコみたいけど突っ込めない雰囲気なので。
「どうぞ」
「アサシンギルドポタを死守しなきゃ!?」
「ふむ・・・具体的には?」
 しかしそこで他の人によって「明日のメンテでポタ取れなくなる可能性」があることが指摘されたことで、BOTの闇ポタ隔離という手段の危機を悟った飛鳥さん。
「む・・・アサギルドのポタ持ってる人いれば自分のアコでとってくるところなんだが・・・もしポタある人は後で出してもらえます?」
 何となく話が逸れたのは気のせいかしらん。それはさておき。
 この後、具体的にどうやって抗議をしていくか、マスコミ等外部からの圧力は可能か、賛同者の獲得の方法などを軽く議論し、ついでに噂にあがったアサシンギルドへのBOT隔離をしてお開きとなった。
 色々やっているうちに時間が午前3時半を回ってしまっていたけど、これは仕方ないってことだよね。うん。







(゚ー゚*)ノ







 この頃のガンホー許すまじという機運によって抗議の意志を燃やし活動していく人々はまだ極わずかではあったものの、決起集会に集まった人々が一部でしかないことも言うまでもなかったとも思う。
 一方こうして決起した「癌呆に真っ向から勝負を挑む!」という小さな抗議集団の活動が開始され、これが後に運営会社の管理改善運動を行っていくラグナロクオンライン監査委員会、更にその後のラグナロクオンラインユーザー連盟へと発展する最初の出来事になった。
 でも、この時の飛鳥さんの心中にある目的は別のところにあった。

「自分の当初の目的はガンホーの駆逐でもなく、
 ROの経営改善でもBOT取締りでもましてRMT市場の壊滅でもなく、
 ROユーザーのモラル向上と自分から動く、
 他人任せにしない行動力向上というか無関心さの除去にあったわけなんだ」


 これを知った瞬間僕はふと、かつて”ユーザーの街”を興してFenrir最大のコミュニティを作ろうと語ったとある騎士を思い出して、益々惚れたり。
 個人的な感情はさておき、勿論僕は飛鳥さんの考えに同調したし実行しようともしてみた。けれどこれはまだずっと先のことであり、また皮肉にもこれが実現するどころか、ROは運営側による運営方針転換よって、間接的にだがコミュニティの核化を迫られてしまうことになる。

 ―飛鳥さんの理想が儚い夢だったなんて、誰が予想できただろうか。



|´=ω=)っ【続く】
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